【天国と地獄】実録ふつうのおっさん。実弟が支配する実家のDV 14

実弟は、高齢両親の離婚を企みそれを実行した。結果、田舎では非常識な珍事となった。Oさんの母は、この時は認知症の初期段階だった。実弟にそそのかされて離婚届にハンコを押してしまった。まさに実弟の意のまま。都合いいように実弟は母を手なずけた。高齢となると誰か一緒にいないと不安になる傾向がある。長年仲の良かった両親の縁を切り裂き、ただ財産目当てで母親を支配した。そして母親には暴力をふるい、金をむしり取っていった。

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ある日、郵便局から電話があった。「もしもしOさんのお宅ですか?」電話に出たのは、実弟だった。「●●さまの(お母さんの名前)の年金が満期となっていますが?いかがなさいますでしょうか?」実弟はなんのことやらさっぱりわからなかった。「今解約されますと、●●円のお返しになります」という電話だった。これに実弟は反応した。母の預金額は知っていたものの、定期預金は知らなかった。つまり本人しか預金の話をしてはならないのに、この局員はセールス目当てで実弟に内容を話してしまった。これはあり得ない話なのだ。ちょうどこのころは、郵政の不正な保険外交真っ盛りだったので、郵便局では必死のセールス合戦をやっていたのだ。

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これにより益々母を管理下に置くようになり、定期預金の件では、妹とOさんの知るところとなり、このお金を巡り兄弟同士がさらに仲たがいすることになった。それまでOさん側にいた妹が、これをきっかけに、実弟になびいていった。そしてOさんを悪く言うようになった。妹も定期預金の分配にあずかろうという思惑だった。しかし実弟はそう甘くはなかった。全部ひとり占めしよう親戚にも「Oさんのほうが悪い」と吹聴するようになった。お金ほしさに実弟に媚びへつらうようになっていった。Oさんは実弟に「定期預金のお金は、母の老後のお金だから手を付けたり、引き出すな」と忠告していた。

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しかしそんな忠告など無意味だった。Oさんはお母さんにも言っていた。「自分のお金だから、絶対に弟がお金をおろさせないようにしなさい」しかし認知症があるので、正常な時と、そうでない時の落差が激しく、約束しても忘れてしまうことが多くなった。Oさんは、このままでは、母親が実弟に暴力やDVを受けることになるので引き離すしかないと考えていた。このまま実家に置いとけなかった。お母さんに「実家を出て近くのアパートに引っ越すように」と話をしたが、「私はここから絶対に離れない」と頑固なまでに拒否をした。

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それだけはボケておらず、長年住み慣れた家を離れるなんて考えられないと言う。実家に住むという事は弟の奴隷状態になるという事で、さらに、お母さんのお金の管理、年金もすべて実弟の物となるということだった。親戚からも実弟は疎んじられ、親戚は本家に誰も立ち寄れなかった。皆弟が怖かったからだ。話が通じないし、すぐに暴力をふるうかも知れないからだった。本家には先祖代々の仏壇があるが、半ばほったらかしだった。お母さんは、掃除、洗濯、雪かきを一人でこなしていた。

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弟とその息子はなにもせず、遊び呆け、孫は引きこもっていた。ある時、認知症の件で保健所の職員が家に来て、福祉を利用しようとしたが、この時は、正常な反応をするので、認知症と診断されずに放置されたままだった。しかし認知症は次第に進行していった。そんな生活状況は近所の人たちは百も承知していたが、他人の家のことなので干渉はできなかった。以前は、お母さんは良好な親戚関係と近所の付き合いをしていたが、今では弟のせいで「あそこの家には関わるな」と陰口を言われるほど避けられてしまった。

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そんな実家の状況にOさんは、なすすべもなくただ状況が悪化していくのを見てるしかなかった。大酒呑みの実弟は次第にやせ細っていった。それでも酒を止めなかった。ある時血反吐を吐いたが、ケロリと治ってしまった。いつも顔色は悪く、何か大病をしているに違いないとOさんは思っていた。しかしその前に、自分自身のOさんの体調が悪化していった。そして糖尿病を発症した。長年の不摂生とかも知れない。グルメのOさんはいつも高カロリーな食事だった。前々からからだに変調をきたしていた。原因不明の高熱や手先の痺れが発症するようになり、とうとう病院通いになった。病院でもらう薬の量は半端なく多く、スーパーでもらう袋があふれんばかりにあった。それを真面目に朝昼晩の3回飲んでいた。病院通いの時期から●●●も陰りを見せ始めた。