【天国と地獄】実録ふつう人のおっさん伝 注目すべき人々との出会い 11

それから、知る限りアルバイト、社員の出入りが激しかった。時給がよかったので、応募に「明日来ます」というものの、時間がたってもまったく来ないという面接バックレが常時あったりした。面接しても、一方的な条件を言ってくる人や「自分は、焼き鳥店で修業してきたからなんでもできます」と言う人がいて、実際に焼きをやらせたり、まったくのド素人だった。ということもある。

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その時の焼き鳥は給料40万近い給料を払っていた。主役だからこの給料が合っているかどうか?わからないが、一般論では高い方だろう。この人、長●と言い、(以後n)nさんは家族持ちで、奥さんが九州の人らしい。関東の震災や地震で不安なので九州に帰ってきてほしいと、奥さんの両親がいうのだった。だが九州に帰ってみても、焼き鳥の仕事があるかはわからないし、安い給料で使かわれるのがオチだろう。

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nはこの奥さんに頭が上がらす、●●●の経営方針やOさんの悪口を言う。家庭の話を直接Oさんに話そうだ。そして家庭内の話をOさんに話し、「給料を上げてくれ」とか「ボーナスを払ってほしい」とか、隠しもせずにOさんに話したそうだ。焼き手の自分がいなければ、●●●は、営業できないのは、焼き手が一番よく知っている。だから脅すようにOさんにわざわざ話すのだ。この焼き手は、実は出戻りだった。

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1回目は、やはり奥さんが原因で辞めたのだ。その理由は他店でもっと待遇のよい店があるからだそうで、その結果他店に焼き手として就職したが、長続きはしなかった。ここより待遇の良い店などなかったのだ。焼き手もコロコロ変わった。nは●●●が気になり店にお客として来店したり、様子をうかがいに来店した。結局この行動は、出戻りたい一心で通っていたのが事実だった。

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その理由がおもしろい「お世話になったOさんに尽くしたい」「Oさんの以前の後ろ姿にもう一度自分は力を尽くしたい」「Oさんが心配で来た」「自分のいない●●●が心配」とか、歯の浮くようなことを言っていた。その熱意もあってnの思惑通り出戻りが叶った。Oさんとしては、nの焼き手としての実力は理解していた。大きなトラブルもなかったし、気の合った以前の焼き手なので、安心して任せることができた。

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そして今に至るわけだが、落ち着いてくると人間不満も出てくる。特に奥さんはうるさい。nは奥さんとお店の狭間で、一種ノーロゼ気味だった。その雰囲気を漂わせ、他のアルバイトには、冷たく当たり、怒鳴ったりしていた。だから気軽にアルバイトに来た人は、nが怖くてすぐに辞めてしまうのは毎度のことだった。「休みがほしい」というので、焼き手の募集をして採用した。焼き方を覚えるために、nに焼きを教えるように言うが、nはこの新人を無視して一切教えようとしなかった。

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新人は話が違うといってすぐに辞めてしまった。Oさんはnに「なぜ焼きを教えないのか?」と尋ねると、「なんで他の人に教える必要があるのか?」と食って掛かった。「あんたが休みたいから、穴埋めに人を募集したのだろ?」と言うと、黙ってしまったと言う。こういうちぐはぐな自分勝手に店を振り回す焼き手だった。この時期にフロアマネージャーという店長という人を募集して、店全体を管理できる人を募集した。これに応募してきた松戸の男(氏名不明)がいた。この男は、とんだ食わせ物だった。