【天国と地獄】実録ふつうのおっさん。警察沙汰になったスタッフの顛末。 10

西新宿本店●●●に移転して順調に滑り出した。しかし頭痛のタネである、人を雇う、経営はそう簡単にはいかない。機械じゃないので、意志を持って生活があるので、イロイロな個性を持っている。この個性を売り上げにつなげるのが、オーナーの責任だ。だがオーナーの言うことを、素直に受けてテキパキ動く人はいない。社会経験のない学生であれば、社会常識に厳しいOさんの叱咤激励にもめげずに反発もせずに「ハイ」と言うでしょうが。

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社会を経験している社会人は、なかなかこれがうまくいかなかった。返って反発されることもしばしばあった。「●●●」には、ミーティングが毎週あり、オーナーは個別に相談面談をよくやった。しかしミーティングをやればやるほど、スタッフは心が離れていったという。Oさんの中の持論、経営論があり、それを理解し納得してもらうように、何度も何度も同じことを繰り返すのだ。売り上げを延ばすことは、給料をもらっている限り当たり前だが、「経営者と同じ目線になれ!」という傲慢な経営論が強すぎる傾向にあった。やがてお店の大黒柱の焼き長からの反発もジワジワと噴出していくのだった。

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新しいアイデア、反省点、目標など、スタッフの動作などが評価され、「それが給料に反映される」と口を酸っぱく言うのだ。当たり前だが、こうした厳しい命令、指導、注文に対し、反発するスタッフもいて、そういうスタッフは、隠れてコソコソとオーナーの悪口を言い出すスタッフもいた。中でも印象深いスタッフがいた。それは1本の警察からの電話だった。警察(以後k)「もしもし●●という人はご存じですか?」

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少し考えて、その●●は以前アルバイトで採用した人だった。「はい、以前アルバイトに来ていましたが、数か月前に退社しましたが?」k「●●さんがちょっと事件を起こしまして・・・勤務態度やその他気になる点をお聞きしたいのですが・・・」話を聞いてみると、深夜の女性宅に侵入して女性を強姦しようとしたらしい。未遂だったが?即逮捕された。事情徴収ということで、勤務先だった「とりや」に電話がきたらしい。迷惑な話だ。アルバイトで採用したとはいえ、この人物は3カ月もいなかったらしい。

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さらに勤務態度も悪く、連絡なしで休んだり、遅刻したり、やりたい放題だった。「●●●」のスタッフが定着しない時期だったので、オーナーも強く言えない面もあった。Oさんが少し後悔気味に「エロビデオ欲しいっていうから何本かあげたんだよね・・・それがキッカケだったかもね・・・」しかしビデオの世界と現実の違いもわからなければ、人生終わっているだろう!?リアルなビデオを、そのままマネしたのかも知れないが、それにしても、数か月前に冗談話をしていたスタッフが、警察に逮捕されるなど思ってもみなかった。

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その後、執行猶予付きの罪で逮捕された。初犯ということで数日の拘留後釈放された。そして●●は、所持金がないのでゆういつの知り合いの大西さんに無心して来た。その理由が「田舎に帰るので、電車賃を貸してもらえませんか?」というものだった。心優しいオーナーOさんは、●●と直接会って3万円を渡した。「このお金を返す」と言うものの、あげたつもりで渡した。退社した人に、お金を渡す義理もないわけだが、そこは大西さんらしい、人間的なやさしさだった。しかしそういう義理人情が災いとなり、続々とトラブルの渦中に飲み込まれていく。

つづく