自閉症は改善するし、キッカケを与えてあげれば治る病気です。親御さん

ゴッホに憧れて

ゴッホに憧れて、卒業文集にはゴッホの ように画家になりたいという風変わりな 少年だった。

今考えれば、すでに未来を暗示している。 ゴッホと言えば、天才、狂人と呼ばれ 精神病院にも入院していた。 ゴーギャンとの別離で耳を切り落とし、 なぜか、なじみの売春婦に渡した。 その後夕方の麦畑で銃で頭をぶち抜き 自殺した。 そのストーリーも好きで、絵画とゴッホの 生きた半生に感動していた。 だから、彼のように変人でもいいのだ。 と人生を割り切っていた。 ここでピカソを尊敬できていれば、 人生は明るかったかも・・・

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自覚なしの自閉症

しかし 母のウザサと言った、鳥肌が立つくらい嫌だった。 なんでそうなったか?

自分は、ある時からたぶん自閉症?を発症 してまわりのクラスメイトと一切関われなく なっていた。 70年当時自閉症というのは、心の病というより ただの怠け者、小心者とみられていた。 がんばればできる! みたいな期待と負荷をかけ続けられた。

それに輪をかけて、小さい頃に家に出入りして いたほどの仲良しだった同級生が、 自分に嫌がらせをしてきた。暴力ではないが、 精神的にグイグイくる奴で非常にめんどくさかった。 こいつのおかげで自閉症もさらに悪化した。 コイツも馬鹿な奴で、実家の裏に火を点けた のだ。危うくコイツのせいで家が燃やされる ところだった。 それを学校で問い詰めると、コイツは顔を 真っ赤にして掴みかかってきた。 その時「ああやっぱり、こいつしかいねえな」 と確信した。一彦おめえだよ。いまでも腹が立つ。

中二病と言われる14歳の時、まるでスイッチがオン になったように、誰とも話せなくなり、心を閉ざすように なった。[ad]

担任は、見て見ぬふり

担任は、見て見ぬふり無視をした。 自分にゲキを飛ばそうと、ホームルームの時 クラスメイトの前で自分をののしり、 「のろまな農耕馬ダバになるな」 と言われた。 それ以来、こそこそと自分をダバ呼ばわりする 奴もいてそいつをにらんだ。睨めばそれ以上 やってこなかった。たぶんそれ以上ちょっかい を出せば、たぶん自分はナイフで刺して いたかも?もしくはハンマーでぶん殴って いたかも?そういうヒステリックな反応をした だろう。抑えきれない怒りはいつも爆発寸前 だった。

イジメの対象でなかったのは、なぜか? それほどわんぱくというか、クラスに不良がいなかった せいだろう。これはある意味ラッキーだったのかも 知れない。

なぜイジメの対象にならなかったか? それは、目つきの悪さにあった。 小さい頃から、視力は悪くないが、怒りが目に現れた。 その目つきは相手にケンカを売るくらいのもので 相手はそれにケンカをけしかけるか、もしくは ビビるかのどちらかだった。

それも大人にもそんな目つきで睨むので、かわいげの ない糞ガキと思われていたし、同級生はなにを 考えているのかわからない、不気味な奴、 近寄れない奴と思われていたのだろう。

だから、昼は一人机で給食を食べ、休憩時間は 図書室に行った。

朝家を出る前に母に「地獄に行ってくる」と言った ものだ。母のその時の心境は苦しかっただろう。 心閉ざした少年が反抗期もあって、どうすることも できないジレンマがあっただろう。

そんなヒドイ状態でも卒業できた

とりあえず不登校にならずに、進級できて 地元の高校に進学できた。

しかし自閉症は治らず、高校の3年間も誰とも 一切交流せず卒業した。それが自分の学生時代 だった。

青春ドラマを見て、なんでこんな熱くなれるのか? と不思議に思ったものだ。今は亡き両親は こんな腐った息子を育ててくれたのだ。 そう思うと感謝しかない。

それに比べ、弟は快活で友人も多く、明るい 性格で誰からも好まれた。そういうオーラ を持っていたのだ。自分は負のオーラで 近づく人を意味なく睨むという感じだった。

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おひとり様の悪行

よく店のモノを盗んでいたし、一人半グレと いってもよいだろう。だから警察の一歩手前 まで行き、父と一緒に謝りに行ったものだ。

家出もして約7日程度、行方不明になった17歳 の時もある。そんな時の両親の気持ちを 考えると胸が苦しくなる。

死んだのか?生きているのか? わからない数日は地獄だったと思う。 家出から帰った夜、母は赤い毛糸で自分の小指 と母の小指を結び「親子の縁は切れない」と 泣きながら言っていた。

これは一生忘れない。恥ずかしいので、お弟も 捕まえて同じことやらせたものだ。 これをタイプしているだけでウルウルしてくる。

そんな時父は無言だった。それはそれで よかったのだ。そう思う。

母の小言は「人の迷惑になることはやるな 警察の厄介になるな」 こればっかりだった。まあ暴力事件ぎりや 窃盗など犯罪者スレスレのガキだったので 将来を心配していたのだろう。

いつかなにかやるんじゃないか? 新聞、テレビをにぎわす事件を起こすのでは ないかと、自分を知る連中は表には出さないが そう思っていたと思う。