【天国と地獄】実録ふつう人のおっさん伝 4 注目すべき人々との出会い

ホテルミラベルの経営者の小泉家のお爺さんには、2人の娘がいた。かつて食堂だった場所で夕食を交代で作りにくるのだ。娘と言ってもすでに50を越えた人だったが。仕事では、Oさんと社員の稲富さんにまかせっきりという感じで、仕事に関してはあまり口出しをしてこなかった。一見スーパーの袋を持って歩いているただのおばさんだが、新宿にあるマンション持ちという裕福な人たちだった。私の性質上、職場や仕事や人間関係がイヤになると契約が残っていてもすぐに辞めるような人だった。それも消えていなくなるという、今でいうバックレの常習犯だった。だから家の留守電に着信ランプが点いていても聞かなかった。ミラベルのアルバイトは違っていた。居心地がよくて長く続けるられた思い出深いアルバイトだった。

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さてOさんの話を戻しましょう。当時Oさんは、新宿御苑を見下ろせるマンションに住んでいた。親しくなった私は、Oさんの家に出入りして、そのあげくによく泊まりに行った。その理由は、同じような趣味を持っていたからだ。エロビデオというあまり公にはできない秘密の趣味?をお互い持っていたからだ。Oさんの女性の好み、好き嫌いはすごく激しかった。ちょっと顔のパーツがおかしいと気に入らない。熟女やぽっちゃりもキライなのだ。Oさんの女性のタイプがいまだにわからない。マンションのポストの投函される裏ビデオまとめて1万円とかよく買っていたのだ。

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ハードな絡みとかSMとか、レズ、とかロリコンとかそういうジャンルはどうでもよかった。1回見て気に入らなければ早送りをして捨てる。という贅沢な?ムダな買い物を楽しんでいた?「捨てるならください」毎回大きなバックで行くと10本単位でもらっていた。皆裏なので、局部はハッキリ見えていた。私は家に帰りシコシコと見ていた。女性に興味がないのに、ビデオを買い続けるOさんを変と思っていた。生の女性を「キタナイ」と言い、「よくこんなことできるね?」とか言っていた。「じゃあ買わなければいいじゃないか?」と思ったが、ビデオ欲しさにそれは言わなかった。

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しかし、いまだにどんな女性がタイプなのか?わからない。プリンスホテル時代に1度結婚したが、6カ月で離婚した。それも同居せず。恋愛とか恋とは興味はなく、男女関係のドロドロさは彼が一番嫌いなことらしい。自分と同じような太った女性を「気持ち悪い」と言う。痩せていればそれはそれで「気持ち悪い」色っぽい熟女でも「気持ち悪い」と言う。ゆういつ良いと思ったビデオでも1回見れば2回目はない。彼の女性へのセンスは一種独特だった。だがエロビデオの趣味はあるという、非常にわかりにくい性格なのだ?だが10歳離れた自分でも友人のように丁寧な敬語で接してくれるし、毎回おごってくれるし、ビデオもくれるという親切な友人だった。しかしOさんのいびきは、ヒグマ並みの爆音なので、私はいつも耳栓をして寝ていた。

つづく