年齢によるからだの変化

加齢によるからだの変化

人間は年を重ねることで様々な部分が変化します。この変化を理解して、対策することで見た目年齢に負けないからだを作ることが出来ます。

●年齢を重ねると「からだのかたち」が変化する?
年代ごとに体形が変わってくることは衆知していると思いますが、これは仕方がないことです。

●内臓の機能が衰えるからで、消化吸収は効率悪くなります。それは、若いころより食べられない。油系で胃もたれがする。肉食がなくなった。採食や魚料理が好きになった。酒の量が減った。飲めなくなった。

●こんなことはありませんか?
これらはすべて加齢による体の変化と言えます。避けられない現実を意識して受け止めなければなりません。
いつまでも若くはないのです。外はアンチエイジエステや整形やファッションでなんとかごまかせます。
しかし体の中は、老化する一方で阻止することはできません。

●年齢とともに体形は変化し、

脂肪がつきやすいからだになっていきます。これは基礎代謝量が減っていくためで、以前と同じ生活運動をしていても消費カロリーが少なくなってしまうからです。しかし食べる量は以前と変わらないとカロリーの摂取と消費のバランスが崩れ、体形が崩れていくというわけです。

●年齢とともに太りやすくなる
1日の総消費エネルギー量の内訳加齢とともに減少する「基礎代謝量」。基礎代謝とは心臓を動かしたり呼吸したり体温を保つなど「生きていることを維持するため」に必要なエネルギーで、「寝ていても絶えず使い続けているエネルギー」のことです。この基礎代謝は24時間絶え間無く使われ続け、1日の総消費エネルギーのうち、なんと「7割以上」も占めているのです。

基礎代謝量(平均値)の年齢変化このため、痩せやすく太りにくい理想的なからだであるために「基礎代謝が高いこと」が絶対条件なのです。この基礎代謝は、男性で18歳くらい、女性では15歳くらいをピークにその後は年齢とともにどんどん低下します。

●からだが成長する時期を過ぎてある程度からだが完成してしまった後は、「維持」のエネルギー以外は必要なくなり、徐々に老化も進んで細胞の生まれ変わりのサイクルが遅くなり、エネルギーをたくさん使う筋肉も減ってしまうからです。

●脂肪は年齢と共にお腹に集まる?
全身の脂肪を100とした時、何%が体幹部についているか」を年代別に表したものです。男女とも加齢とともに体幹部への脂肪の分布(内臓脂肪も含む)がどんどん増えていきます。

体幹部というとほとんどが腹部です。50歳以上になると男性では全身の脂肪のうち6割以上が主に腹部についていることになります。女性でも30代を超えると5割以上の脂肪が腹部に分布しています。全身の体脂肪率があまり高くなくても、腹部の脂肪分布が増えている可能性が高く、その中でも特に内臓脂肪が増える傾向があります。しかも、腹部の脂肪や内臓脂肪が多くなると血中脂質や血圧が高くなりやすくなり、メタボの危険性が高まります。


肝機能への影響も出てくることが統計的にもわかっています。30代以上の方は全身の体脂肪率が高くなくても油断は禁物です。お腹の脂肪が気になり出したら見た目 だけでなく健康的にも注意が必要です。

●男女別の加齢変化傾向
加齢と共にお腹周りに脂肪がつき、メタボの危険性が高まるというのは男女共通の変化です。しかし元々男女の体型や体組成・脂肪分布は異なり、加齢による変化にも男女差があります。

●男性では、腕・脚の筋肉量減少が顕著
男性で加齢により増えてしまいがちなのは「お腹の脂肪」で、これは確かなことなのですが、男性にとって脂肪よりも変化が目立つのは実は「筋肉」なのです。

●男性は 元々女性よりも筋肉量が多く、体重が重くても脂肪率は低い傾向があるのですが、その筋肉量は加齢による減少変化がとても大きいのです。特に腕と脚は顕著にその傾向が表れています。加齢による腕と脚の筋肉量減少は統計的にも明らかです。このように男性は加齢による筋肉量の減少が大きいので、たとえ体重はそんなに増えて無くても、脂肪の割合(体脂肪率)が増えてしまっていることも多いのです。

●女性では、上半身の脂肪増加
女性は筋肉量よりも脂肪の付き方に特徴があり、男性よりも顕著な変化傾向があります。

●30歳未満の若い年代の女性は腕や体幹部の脂肪率が低くて脚(臀部も含む)の脂肪率だけが高くなっています。若い世代の女性 は太腿や臀部などの下半身は脂肪が多いのですが、腕やお腹など上半身は脂肪が少ない傾向にあります。ところが30代以降はだんだん腕や体幹部の脂肪率が高くなり、50代以上になると、全身が均一な脂肪率に近付きます。つまり、若いうちは細かった腕やお腹などの上半身にも年齢とともに脂肪が つきはじめ、50代ごろには全身に脂肪がついて全体のかたちが丸くなるという傾向にあります。

●若々しく見える体形
では、「若く見える体形は?」というと、加齢変化とは逆に若い世代の平均的な体形特徴を参考にすると答えが見えてきます。●男性:全身の脂肪率は低いが筋肉量が多いので細くはなく、特に腕や脚はガッチリしており、お腹はまだ脂肪が少なく締まっている。●女性:ウエスト周りや腕、肩は細く華奢ですが、腰周りや太腿には脂肪が付いていて健康的。

●若い世代は筋肉のつき方や脂肪の分布に男女差があって体形も男女で大きく異なりますが、年齢を重ねると男女差があまり見られなくなって男女とも「丸くなる」傾向にあります。

●加齢変化に負けず「脂肪を消費しやすいからだ」を維持するには?
それでは、年齢による基礎代謝量の低下に負けず、できるだけ若い頃の体重・体脂肪率・筋肉量を維持するためにはどうすればよいのでしょうか。年々低下する基礎代謝量を意識して摂取エネルギー(カロリー)を減らせばエネルギーが余ることを防げますが、これには注意が必要です。

●バランスを考えず「食べる量全体」を減らしてしまうと、筋肉を作る「たんぱく質」や「代謝を促進するビタミンやミネラル」まで減ってしまい、このような状態が続くと加齢変化以上に基礎代謝量が減ってしまうからです。そしてリバウンドしてはまた食事量を減らして更にいっそう太りやすくなる、という悪循環に陥りやすくなってしまいます。

●結論
こうならないためには「低カロリーでもたんぱく質やミネラルが豊富な食事をし、基礎代謝量を増やすために筋肉を意識して使う」ということが必要です。具体的には以下のポイントが挙げられます。また、変化する基礎代謝を把握するには体組成計での計測がおすすめです。「基礎代謝判定」で「脂肪が消費しやすいからだになってきた」「“脂肪の消費しやすさ”が維持できている」ということがわかります。