怖い糖尿病とアンチエイジ

重症化すると、全身の至るところで合併症が起こります!
放っておくと確実に進む。

糖尿病の3大合併症

糖尿病は血液中の糖が増えすぎて、血管を傷めることで全身に合併症を起こす病気です。
合併症は高血糖から始まり、重症化すると腎臓の機能が低下する糖尿病性腎症へ進行し、人工透析や腎移植が必要に。また、命に関わる心臓病や脳卒中などにかかる確率も高くなります。

腎臓の位置と働き
腎臓はそら豆のような形をした大人の握りこぶしくらいの臓器で、腰のあたりに左右に一つずつあります。主な機能は下記の通りです。年を重ねると徐々に機能が低下しますが、糖尿病性腎症では腎機能が急激に低下します。

一度機能が低下すると元に戻ることはできません。早期発見により進行を食い止めることが大切です。

腎臓の主な働き
尿のできる流れ
糸球体で血液がろ過され、原尿(尿のもととなる)ができるフィルター機能
体の調整機能尿管一膀胱―血液中の老廃物をろ過して「尿」をつくり、
老廃物血圧をコントロールするホルモンを分泌赤血球を増やす造血刺激ホルモンの分泌

体内の水分量やイオンバランスを調整する
尿細管を経て、集合管を通る糸球体、腎を経て、尿管から膀胱を通り、尿として体外へとして排池ビタミンDを活性化させ、骨を強くする。

検査項目
検査の内容
最近1~2か月の血糖値の平均を示す検査。血糖コントロールの状態を調べる。
腎機能に異常があると、尿中にたんぱく質が漏れ出て陽性になる。
腎臓でろ過され排出される物質。腎機能が低下すると高くなる。性·年齢とクレ
アチニンの数値から「EGFR(推算糸球体ろ過量)」を算出すると、腎機能の状態
を確認できる。クレアチニン値からEGFRを算出したい場合>腎臓ネット検索
男:1.00以下(g/dl)
女:0.70以下(mg/de)

クレアチニン
どうして?糖尿病が重症化すると腎臓が悪くなるの?
血管は全身にあるため糖尿病の合併症は全身で起こりますが、腎臓は細い血管のかたまりである糸球体の集合体のため、特に影響が出やすいのです。
重症化の流れ(個人差があります)

持病病気の進行
末梢神経障害
網膜症
腎症
糖尿病予備群
軽症糖尿病
中等度糖尿病
重症糖尿病

進行すると生命の危険!
食事運動の改善が中心薬で血糖値を下げることしかできない。

生活習慣(食事運動など)の改善
*薬 血糖降下薬→インスリン注射「治療方針は主治)

医の判断による/早期なら生活習慣の改善のみ

人工透析腎移植
薬物治療で血糖値が抑えられれば合併症は起こりにくい予防。

さらなる重症化で、もっとコワい合併症が!
さらに進行すると、壊痕や脳梗塞、虚血性心疾患(狭
心症·心筋梗塞)などの命に関わる合併症を発症してしま
います。

糖尿病は、体中の血管を傷つけるため、栄養が行き届か
なくなり、さまさざまな合併症が起こります。中でもダメージが
出やすいのは、神経障害、網膜症、腎症の3つの合併症です。

網膜症
目の網膜の血管が害されて視力が低下し、網膜症を発症します。
重症化すると、失明に至ることもあります。

脳梗塞
脳の血管の一部が詰まって起こります。麻癖や言語障害が残る
場合があります。

虚血性心疾患
心臓の冠動脈が詰まるなどで、虚血性心疾患(狭心症·心筋梗塞)
が引き起こされます。急な発作で、死に至ることもあります。

壊値(えそ)
神経障害神経がダメージを受け、感覚が鈍くなったり、ピリピリするな
どの症状が起こります。重症化すると、壊痕の原因にもなります。

腎症
主に神経障害が重症化して、腎臓の糸球体が傷ついて元に戻らなくなり、
腎症となります。重症化すると、人工透析や腎移植が必要になります。

肢(特に足)など
の細胞が死んだ状態(壊痕)となります。最悪の場合、下肢の切断を
余儀なくされることもあります。

糖尿病などを放っておいたAさんは。
糖尿病治療Q&A
40歳健診で高血圧がみつかる。はじめはこれだけ
42歳 糖尿病脂質異常症·かくれ脳梗塞がみつかる

Q早めの治療で人工透析を防げますか?
45歳狭心症
A 早期発見·早期治療で重症化させないこと
が最も重要です。「高血糖」といわれたら、生活習慣の見直しを。
進行度によって食事療法や薬物治療(インスリン注射含む)を行うこと
で、透析が必要な「末期腎不全」への進行を遅らせることができます。
足の痛みで
歩行困難に65歳 壊痕により両足切断67歳 心筋梗塞でバイパス手術
どこに受診したらいいですか?
Qまずはかかりつけ医に受診しましょう。

今、症状がなくてもひそかに重症化が進み、突然の発作などで
合併症が表面化することも!

治療が必要な場合は、かかりつけ医から
糖尿病専門医を紹介してもらい、連携して治療します。
糖尿病から糖尿病性腎症への重症化を防ぐために

定期健診を毎年受ける
自分の体の状態を確認し、早期発見することが大切です。
血管を傷つける 余分なエネルギーことは避ける糖尿病と同様に高血圧
脂質異常症などの生活習慣病の改善を。禁煙や減塩も重要です。

急激に血糖値を上げないを取り込まない食べ過ぎや夜遅い食事
で血糖が余ると高血糖に。

食べ始めに野菜を食べる、ドカ食いをしないなど、急激に血糖値を
上げない工夫を。血糖を身体活動で消費する身体活動で最初に消
費されるエネルギーは血糖。食後の散歩などを習慣に。