【天国と地獄】実録ふつうのおっさん。父への積年の恨みとその結果 17

甥は反省したのか?しないのか?わからないがしばらくは落ち着いたようだ。Oさんによれば、松戸のマネージャーにそそのかされて、悪い道にたまたま外れてしまったのだ。という甥が被害者であるかのような認識だった。勝手に店の物を飲み食いして宴会したのは、すべて松戸のマネージャーが悪かったのだ。しかし実はそうではなかったのだ。レジを任されていたので、当然会計のレジに立つのが仕事だった。毎月の売り上げがおかしいと気づいたのは、そう遅くはなかった。Oさんは改めて売り上げ伝票を徹底的に調べた。

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田舎のほうと言えば、最悪が最悪が重なった。別居していたOさんの父がとうとう病気になって、その後ほどなくして亡くなったのだ。Oさんとしては、生まれ育った本家で亡くなって欲しかった。もしくは本家に父の亡骸を置いて欲しかった。しかし実弟のせいで拒否され、叶わなかった。本家で我が物顔でふんぞり返っている実弟は、父が亡くなったと聞いてい、行きつけのバーで祝杯をあげたそうだ。

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それを聞いてOさんは絶望しかなかった。父に対し恨みしかなかった実弟にとってこれほど待ち望んでいた時はなかった。なぜ離婚することになったのか?この原因が全て父のイジメにあったからだと言う。しかし現実は違っていた。度重なる飲酒と浮気が離婚原因だった。それを知ったのが、残された1本のカセットテープだった。この存在を知ったのは、妹が隠し持っていた。

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そのテープの内容は、「お父さんやお母さんからの嫌がらせやイジメはありませんでした。すべて私が悪いのです。そして、夫の生活態度、多数の暴力、そしてお金の散財、そして浮気です…お父さんお母さんには感謝しております。そして申し訳な思っています。私は夫により精神を患いました。本当の事を知ってもらいたいと思い、テープに残します。」このテープを実弟の息子に聞かせたらしい。

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亡き母の声を聞いて泣いていたらしい。精神をきたし、子を置いて病院にした母とはおぼろげな記憶しかないと言う。妹は時折お見舞いに病院に訪れたらしい。最後に「夫には、恨みつらみしかない」という言葉もあった。実弟は妻の気持ちも考えずやりたい放題をしていただけの男だった。さらに今では本家を乗っ取り、親戚も近寄れない環境にした。母は人質みたいなものだ。まだら認知症の入った老婆には、意地でもこの実家から離れたくないと言う。老婆には、法律とか財産とか所有権とか理解できない。

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それを悪用して実弟は意のままにしていた。Oさんによれば、悪知恵をつけたのは、通いのスナックらしい。スナックの女が本家を乗っ取る策をアドバイスしたらしい。実弟にはそれほどの知恵がなかったからだ。父が亡くなって葬儀をした際、新聞に載せないようにしていたが、葬儀屋は本日の訃報者の欄に出したので、多くの人が葬儀場に来たらしい。それはそれで良いのだが、予定外の人数で計算違いだった。そして父の亡骸は、一度も本家に帰ることなく、本家のお墓に埋葬されたと言う。さぞかし無念だったでしょう。